2021年4月2日 20:00
ビートルズも感激!「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれた美術家の墨アート
1935年、22歳で書を教え始めて独立します。
27歳のときに初個展で書作品を発表。既存の枠にとらわれない作品は「根無し草」と評されますが、独自の創造の世界を求めて突き進んでいきます。
アメリカで熱烈歓迎!
戦後、日本の前衛書を紹介する海外の展覧会に出品を重ねていき、1956年、43歳のときに書家の経歴を捨てて単身渡米。ニューヨークを拠点に活動をはじめます。
1950年代、ニューヨークのアートシーンでは、ジャクソン・ポロックなどの抽象表現主義が流行。書の枠を超え、墨の美しさそのものを見てほしいと思っていた篠田さんの書は、新しい「絵画作品」として熱烈に歓迎され、高い評価を受けます。
欧米各地で作品を発表しながら、2年間のアメリカ滞在を終えて帰国。1970年代に入ると、作風が優美になり、日本の伝統に裏付けられた美意識が作品にあらわれはじめます。
ちなみに、1966年に来日したザ・ビートルズが、宿泊したホテルに飾られていた篠田さんの作品を見て感激し、作品を書いた筆と同じものを購入したという逸話も残されています。
また、名文家として知られる篠田さんは、1979年に随筆集『墨いろ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。