2021年5月27日 21:10
「漫画界は、煮え切らないヤツの集まりです(笑)」長崎尚志が語る
そこから、彼を思い浮かべて当て書きしました」
もともと映画化が動き始めるまでに、作品をめぐるやりとりを、関係者の間で無限に繰り返してきたという。
「勝手にいじられたりするのがイヤなたちなので、この脚本は『こうしたら満足か?』と挑戦状を叩きつける気持ちで先回りして変えていきました。山城と夏美という恋人との関係も、結婚していたりしていなかったり版ごとにいろいろです。ひとつの話を変奏していくことは、僕にとってはそう大変でもないんですね。つらそうなふりはしますけど(笑)」
ちなみに、発売中の『キャラクター』のノベライズ版もコミカライズ版も、映画とは違う結末に仕上げたという驚異のストーリーテラー。
「特に小説版では、山城、両角、清田という3人の視点が入れ替わりながら、映画では語られなかった背景や動機なども全部明かしています。山城はどういう理由で漫画家を目指したのかや、両角はどういう家庭で育ったのか、清田はなぜこの事件を執拗に追うのか。そういった部分がわかると、映画もより楽しんでもらえるのではないかと思います」
自分を楽しませることを忘れちゃいけない。
ところで、長崎さんにとって、作品を書くモチベーションが上がるのはどんなキャラクターなのだろう。