2021年8月11日 20:30
「日本のアニメには新しい息吹がある」フランスアニメの気鋭監督が語る魅力
監督そうですね。「イラストは自分にとってどんな意味があるのか」「イラストレーターの仕事とは何か」といったさまざまな自問自答をし続ける濃密な時間を過ごすことができました。そんななかで、まず気がついたのは、イラストとアニメーションでは表現方法も制約も違うということ。それゆえにより深く考察し、核心を突き詰めていく作業をしました。
あとは、いままで1人で仕事していた僕にとってはグループで仕事をするのも初めてだったので、人間としてもイラストレーターとしてもすごく成長できたのではないかなと思っています。この10年でいろいろな変化がありましたし、新しい経験をたくさん重ねることができました。
―アニメーションを制作するうえで、影響を受けている方や作品について教えてください。監督アニメーションだけではなく、映画や絵画、音楽、文学といった本当にさまざま表現様式から影響を受けていると感じています。
なので、ひとつを選ぶことはできないのですが、今回の作品で言うと、スペイン内戦について知る機会を与えてくれたケン・ローチ監督の『大地と自由』や本作の脚本を務めてくれたジャン=ルイ・ミレシの存在は大きかったかなと。