くらし情報『浅野いにお、映画『うみべの女の子』は「看板が飛ぶ角度まで漫画と一緒(笑)」』

2021年8月23日 21:40

浅野いにお、映画『うみべの女の子』は「看板が飛ぶ角度まで漫画と一緒(笑)」

映像も、自分が想像した通りの出来上がりになっていましたね。

――自作が映像化されたことで、改めて気づいたことなどは?

浅野:これを描いたのは30歳前後で、まだ10代を思い出せるくらいの年齢だったこともあり、磯辺のキャラクターに自分の要素や当時感じていたことが入っていたんですよね。そういう意味では、すごく血の通った漫画だと思います。今の自分は物事をもっと俯瞰するようになったというか、自分ってものが作品の中に出てこなくなったので、そのぶん描きやすくはあるんです。あざとい言い方ですけど、ニーズに合わせるようなコントロールもできてしまう。それに対して30歳くらいのときは、作家として一番冴えてる時期というか、自分の才能を発揮できていたので、今では描けないニュアンスがあるし、描いている人間のイライラが伝わってくるんですよね。意識的にやろうとしてもできるもんじゃないし、嘘だとバレてしまうので、いい時期の漫画だなと思います。

――今はもっと職人的というか、狙ってできるような感じですか?

浅野:そうですね、技術で描けることも多いので。
当時の自分は、デビューして10年くらいしか経ってなくて、評価も定まっていない状態だったので、悩みみたいな普遍的な部分を読者と共有して、物語を作ることができたんです。

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