2021年8月31日 19:30
『鳩の撃退法』監督が明かす、藤原竜也と西野七瀬の距離を近づけた方法
さまざまな憶測を呼んでいる物語の謎から主演を務めた藤原竜也さんの魅力まで、本作の楽しみ方を教えていただきました。
―まずは、この作品との出会いから教えてください。
監督旧知のプロデューサーさんから原作を勧められて、読み始めたのがきっかけ。ずっと読んでいたくなるほどのおもしろさだったので、すぐに映画化したいと思いました。ただ、原作は非常に長くて複雑ですし、いままで「実写化不可能」と言われてきた作品ですからね。脚本が完成するまでには、いろいろとありました。
―特に苦労されたのは、どのあたりでしょうか?
監督一番は、佐藤先生の“筆の妙”とも言える原作のおもしろみを生かしつつ、エンターテインメント性のある作品にしなければいけなかったところ。勝手に何かを足してしまったり、わかりやすくしすぎてしまったりしたら原作ファンに怒られますし、かといって映画としても成立させないといけない。
そのさじ加減は、難しかったです。
そこで、まずは原作通りに文字を起こして脚本を作るところから始め、脚本家の藤井清美さんと一緒に50稿以上にも上るほど何度も書き直して、ようやくいまの形に。いかに難解な構造を残しながらどうやって観客を最後まで気持ちよく騙し通せるか、ということを念頭に置いて作業していきました。