2021年10月6日 19:30
デヴィッド・ボウイの真実…成功の裏に抱えていた苦悩と家族との葛藤
特に、自分をつねに生まれ変わらせようとする姿には、心をつかまれましたね。
なかでも驚いたのは、あれだけ有名な人物であるにもかかわらず、彼の人生の初期段階についてはあまり知られていないところ。兄との関係や精神的な病を持ちやすい家系であること、病気に対する恐れを持ち続けていたことなど、ファンでも知らない方は多いのではないでしょうか。本作では、ボウイがたどっていたかもしれない悲劇的な影として兄の存在を描いていますが、そういった部分には、引き込まれるものがありました。
演じるうえで興味深かったのは、ボウイと家族との関係
デヴィッド・ボウイを演じたジョニー・フリン
―では、ジョニーさんがボウイに惹かれたのは、どのようなところですか?
ジョニーさん監督が話したことと重なってしまうんですが、僕にとっても興味深かったのは、家族との関係。ボウイも70年代にはあまりそういったことは語っておらず、自らその話題に触れ始めたのは、90年代くらいからだったと思います。この映画のなかでも描かれているように、彼はメンタルヘルスに対する恐怖があまりにも強かったため、語ることすらできなかったのです。そういった彼の姿は、僕にとっては準備の段階で重要なカギのひとつでもありました。