巨額の資金など特有の背景から生まれる勢いがすごい!“中国映画”に注目します。
中国映画が本格的に世界で注目され始めたのは、’80年代のこと。
「中国映画史の中でも“第五世代”と呼ばれる監督、チャン・イーモウ、チェン・カイコー、ティエン・チュアンチュアンの登場により、ベルリンなど国際映画祭での受賞も相次ぎ、世界に大きなインパクトを与えました」(日本映画大学学部長・石坂健治さん)
この頃は、近過去を舞台に、抑圧された社会の中で生きる切実さのようなものに主題をとる映画が多かったが、時代とともに変化。
「近年は、ハリウッドから人材が集結するなどグローバルな視点を意識した映画が増加。とはいえ、それが一大娯楽作品だったとしても、背後に国家の陰が感じられるのが中国映画。そこが面白いところともいえます」(石坂さん)
なかでも軒並みヒットとなっているのが、アクション大作。
「たとえば『エイト・ハンドレッド‐戦場の英雄たち‐』は、総製作費80億円。巨額の予算をかけたからといって誰もが楽しめる映画になるとは限りませんが、これは’20年の世界興行成績1位を記録。
このように結果にもつながる大作が、続々と作られています」