2016年9月18日 12:00
キャリア37年の女優・小林聡美「女優に向いていない」
小林:どうなんでしょうね。自分ではよくわからないんです。
――例えば、それぞれの作品において、ご自身のここが求められているのかなと感じることはあるんでしょうか?
小林:年代ごとにありましたよね。CMをよくやっていた頃は、元気で明るい感じを求められているんだろうなって思ったり、映画『かもめ食堂』くらいからは、自分のやりたいことをやっていく清々しい女性だったりとか。そんな匂いを感じ取ってはいます。
――そういう世間的なイメージを、どう受け止めていたんでしょう?
小林:まあ、自分にないわけじゃないけれど、あんなに元気で明るくないし、あんなに清々しくて凛としてないしって思いながら…。
――淡々と、求められているものを演じていらっしゃる、と。
小林:そうそう。
この場での私の役割はそれだなーって(笑)。
――よく俳優さんを評して、演技がうまいとか、ナチュラルな芝居だとか言いますが、小林さんの作品を拝見していると、そういうところとは別次元にいるような印象を受けるんです。役になりきるというより、役と小林さんとがシームレスに繋がっているような。
小林:役ですか…作ってないですね。台本の通りですよ。