2021年12月10日 18:30
眼福すぎ…! モネ、ゴッホらが“ピーク時”に描いた傑作が見られる展覧会
赤いポピーの色彩がパワフルで美しく、この絵を見ていると不思議と明るい気分になれます。画家も楽しい気分で描いていたのかな、と思わせるような元気の出る作品です。
都会的!ユリィの光
最後は、個人的に大好きな作品、レッサー・ユリィの《夜のポツダム広場》をご紹介します。描かれているのは、戦前のドイツ・ベルリンの中心地だったポツダム広場。傘をさした人たちの姿や近代的な建物が暗い色彩で表され、濡れたアスファルトには夜の光が反射しています。100年前の作品とは思えないほど、クールでステキな作品です。
ユリィはユダヤ系ドイツ人画家。ベルリン分離派展などに出品し、1922年、60歳のときに開かれた大規模展覧会で名声を確立します。
本作品は、ベルリン・ユダヤ人団体美術品コレクションに入り、1933年設立のユダヤ博物館に収蔵されますが、同館は1938年に強制閉館となり作品は没収されます。その後イスラエルに返還され、今はイスラエル博物館のコレクションとなっています。
戦時中のドイツで本作品が生き残り、こうして日本で見られるというのも奇跡。この絵を見るために何度も美術館に足を運びたくなる、強く惹きつけられる作品です。