2022年2月17日 19:30
永瀬正敏「日本の引きの美学は通用しない」海外で活躍し続ける理由
さらにマリの年齢を上げ、2人の年齢差を縮めることで生まれる“化学反応”を見たいということだったので、それならぜひということでお受けしました。
意識していたのは、答えを出さない芝居
―以前、作品選びにおいては脚本を重視されているとお話をされていましたが、今回の脚本を読まれたときの印象は?
永瀬さん原作にも言えることですが、自分のなかで「これだ!」という結末が見えませんでした。マリの妄想の世界だったのか、夢なのか、それとも現実だったのか……。人によっても、そのときの気分によっても、まったく違って感じられる作品だなと。どんなふうにでも受け取れるので、おもしろい脚本だと思いました。
だからこそ考えていたのは、「いろんな解釈してもらうためにはどうすればいいのだろうか」ということ。芝居もはっきり答えを出さないように意識していたので、どこまでやるかの線引きは監督に厳しくジャッジしてもらっています。原作を大切にしつつ、あの場所でこの俳優たちと監督が作り出す『ホテルアイリス』のリアリティや寓話性をどう見せるか?という思いはありました。
―なるほど。翻訳家はかなり謎の多い男性でしたが、演じてみていかがでしたか?
永瀬さんぜひ、また演じてみたい役どころのひとつですね。