2022年2月16日 19:30
「日本とイランの映画には共通点がある」イランの気鋭監督が語る日本の影響
そこで、イラン社会の不条理に鋭く切り込んだ本作について、こちらの方々にお話をうかがってきました。
ベタシュ・サナイハ監督 & マリヤム・モガッダム監督
良質な映画が生まれる国として知られているイランで、“新たな才能”として注目を集めているサナイハ監督(写真・左)とモガッダム監督(右)。私生活でもパートナーのおふたりが、共同監督を務めるのは本作で2度目となります。今回は、主演も務めたモガッダム監督がミナに込めた思いや死刑制度が抱える問題、さらにイランと日本の共通点などについて語っていただきました。
―イランは死刑執行件数が世界2位となっていますが、さまざまなリサーチを行う過程でイランの死刑制度にはどのような問題があると感じましたか?
モガッダム監督イランの死刑制度に対する私たちの意見は、映画を観ていただければわかる部分もありますが、“社会の暴力”をより増やしてしまうものが死刑制度なのではないかと思っています。そういった観点から、この映画では死刑制度が生み出してしまうかもしれないひとつの結果を描くことにしました。
まず問題となるのは、冤罪によって罪のない人が命を落としてしまう可能性があること。