2022年2月24日 19:30
父とはもう会話さえもできない… 認知症の父と娘を襲う厳しい現実【映画】
彼女の素晴らしいスキルのひとつは、完全に役と直結して本当にその瞬間に存在してくれるところですが、彼女がオープンでいてくれたからこそ、ハビエルもそれに反応して演じられたのではないかなと。しっかりと向き合いながら、お互いに助け合っているように見えました。
―では、監督にとっていま仕事のモチベーションとなっているものといえば?
監督昨今のパンデミックの状態は、フィルムメイカーにとっては非常に奇妙な時期だなと思っています。映画の制作やプレミアがキャンセルになったこともありましたが、そうなって初めて観客に作品を届けることが映画を作るうえでいかに大事なことだったのかを改めて気づかされました。特に、映画館で観られるのか、配信になってしまうのかによっても大きく状況は変わってくるので、コロナ禍が明けても劇場用の映画に対する未来には多くの疑問が残ってしまうのではないかと懸念しています。
ただ、逆にこの機会を受けて、「映画だからできることってなんだろう」と考えるべきではないかなと。こういう状況だからこそ、ただ映画を作るのではなく、観客は何を観たいのか、何を観るべきなのか、といったことを考えるいいチャンスにしたいなと感じています。