2022年2月24日 19:30
父とはもう会話さえもできない… 認知症の父と娘を襲う厳しい現実【映画】
ただ、ケアをしている本人にも人生や仕事があるので、男女関係なくケアするという行為をみなでわかち合うべきだと考えています。
私が弟の介護をしていたとき、彼が苦しんでいるのを見るのはつらかったですし、自分ができることは何でもしてあげたいと思ういっぽうで、仕事もしなければならなかったのでプロの方に関わっていただきました。そういった葛藤はおそらくみなさんも経験することだと思うので、介護に関する問題は、いまの時代においても非常に大きな社会的テーマだと感じています。
ハビエルとエルはお互いに助け合いながら演じてくれた
―また、本作で多くの映画ファンが注目しているところといえば、ハビエル・バルデムとエル・ファニングの初共演。本当に素晴らしい演技でしたが、現場でのおふたりの様子について教えてください。
監督ハビエルといえば悪役を演じることでも知られているところがありますし、スペイン人のマッチョな男性みたいなオーラを持っているタイプの俳優だからこそ、今回はいつも演じているものとは真逆のものをさらけ出すような役だったと思います。
そして、それを演じるうえで大きな役割を果たしてくれたのがエル。彼女はまだまだ若いですが、本当に経験豊富だし、人間のもろさみたいなものを表現する役をハビエルよりも多く演じてきているところもありますからね。