2022年4月20日 19:30
フランスを代表する女性監督が説く「人の弱さは“武器”に変えることもできる」
ミア・ハンセン=ラブ監督
@Judicaël Perrin
2007年に26歳という若さで長編映画監督デビューを果たすと、類まれなセンスと才能でフランスを代表する女性監督のひとりとなったミア・ハンセン=ラブ監督。今回は、自身も敬愛するベルイマン監督の魅力や日本での思い出、そして女性に伝えたいメッセージについて語っていただきました。
―10年ほど前から、ベルイマン監督の作品や人生に傾倒するようになったということですが、どういったところに惹かれているのでしょうか。
監督これは非常に難しい質問ですね。お答えするのに、数時間はかかってしまうかもしれません(笑)。なぜなら、ベルイマンの魅力を短い時間で語り尽くすことは私にとっては不可能なことですから。具体的に彼のどの部分がいいとか、どの作品が好きということではなく、彼の人生も作品も生き方も、さらには息遣いまで、すべてが魅力的だと思っています。有名な作品のなかには、人工的なところがある作品もあるかもしれません。
でも、『不良少女モニカ』(53)や『ある結婚の風景』(73)、『ファニーとアレクサンデル』(82)のような作品では、彼のキャパシティの広さや創作力の大きさ、そしてエロティシズムまでもがあると感じています。