2022年4月20日 19:30
フランスを代表する女性監督が説く「人の弱さは“武器”に変えることもできる」
ベルイマンに惹かれるのは、自分に忠実だから
―そういったことすべてから監督も影響を受けていらっしゃるのですね。
監督そのほかに私が一番惹かれているのは、彼が自分に対してとても忠実であるところです。つまりそれは、自分を裏切ることなく、一切の妥協も許さないという意味でもありますが、そういった部分があるからこそ、ベルイマンがベルイマン以外の何者でもない理由かなと。
だから、私は彼の作品を観ていると、彼とコミュニケーションを取れているような気がするのです。ほかにも同じようなコミュニケーションを感じられる監督は何名かいますが、ベルイマンほどそれを直接的に感じられる人はいないと思っています。そういうところが、私から見たベルイマンの魅力です。
―なるほど。監督は「この映画の大きなテーマは“解放”である」とお話されていますが、それはいまでも多くの女性が男性から解放されていないと感じていらっしゃるところがあったからでしょうか。
監督夫婦生活や社会において叫ばれているような、いわゆる女性解放というのとは少し意味が違いますが、私はクリスを通して自分自身を解き放って自由にする姿を表現したいと考えました。