2022年5月7日 21:10
小関裕太「自分とは切り離せないもの」 ミュージカルへの強い想い
三角関係のようないわゆる恋愛漫画の王道もありつつ、切なさの表現や綴られる言葉が素敵で、総じて世界観が美しい作品ですよね。
――形のない芸術という世界で上を目指そうと奮闘する登場人物に共感する部分はありますか。
演奏家であれば誰だって楽譜を投げ捨てたくなる瞬間はあるけれど、それでもやっぱりあのステージに立ちたいと思う、という場面があるんです。これって僕もそうで、精神的にキツいときもあるけれど、ステージに立って成果を得たとき…カーテンコールで拍手をいただいた瞬間を思い出して自分の背中を押す。それをこの作品では“美しい嘘”って言っているんですが、わかるなあって。
――公生という役に共感は?
公生くんは、物腰柔らかくあまり自己主張しないタイプの人で、周りに気を遣って生きているんだなぁってところを愛おしく思っています。僕も、今はわりと自分のやりたいことを自覚して、自分の意見を主張できるようになりましたけれど、学生時代は公生くんと同じタイプで、悪い意味で遠慮気味な人だったと思います。――主張できるようになったきっかけは、なにかあったんですか。
僕の遠慮はあまりいいものではなかったって徐々に気づいたというか…。