2022年5月13日 20:10
倉科カナ「観るのも出るのも大好きに」 苦手だった演劇にトキメキを感じる今
その観客と作り手側がフェアな関係にあるところも好きなんです。
――きっかけは何でした?
倉科:舞台のお仕事を始めた頃は、演劇がすごく苦手だったんです。このままでは嫌いになりそうだと思って、マネージャーさんに舞台の仕事を1年に1本は入れてくださいとお願いしました。それが13~14年くらい前。でも、『タンゴ・冬の終わりに』(’15年)という清水邦夫さんの作品で、みんなで作っていくのはキツいけれど楽しいと思えたんですよね。稽古場には、たくさんのスタッフさんもいて、本当に家族みたいな感覚があって。だから舞台に関しては、妥協して出たいとは思わないです。私の中ではお仕事としてではなく好きだからやりたい分野で、だからこそしっかり時間を取ってこだわってやりたいです。
――嫌いになりそうだから年に1回入れてください、ってすごいことをおっしゃるんですね。倉科:ここで逃げたら、たぶんもう戻ってこれない気がしたんですよね。
――でも、他に活躍する場所はたくさんあるわけですし…。
倉科:でも、苦手ってことは弱点なわけじゃないですか。逆に考えれば、それだけ伸び代があるということで、そこを伸ばして強みにしたら弱点がなくなる。