2022年5月13日 20:10
倉科カナ「観るのも出るのも大好きに」 苦手だった演劇にトキメキを感じる今
――2年を経て、同じ作品にどう向き合おうと思っていますか。
倉科:私としては、あらためて一から作品に向き合ってみようかなと考えています。もともと目の前のものに全力投球して過去は忘れちゃうタイプですし、この2年の間に素敵な作品と巡り合えて、すごく糧になったので、その経験値を持って再び向き合ったらどうなるか、私自身も楽しみなんです。
演劇が好きだからこだわってやりたい。
――それこそ読売演劇大賞でノミネートされた『雨』も『ガラスの動物園』も素晴らしかったです。
倉科:こまつ座さんの『雨』は、井上(ひさし・脚本)さんと栗山(民也・演出)さんのタッグの舞台で、いろんな先輩からこまつ座の作品は絶対経験したほうがいいよと言われていたんです。だから栗山さんから声をかけていただいたときは、本当に嬉しくて。井上さんの戯曲は言葉にとても力があるんですが、栗山さんの演出がそれを最大限に光らせるんです。
言葉遊びみたいなセリフを、自分の言葉として質感を感じるように演出してくださり、すごく勉強になりました。一方、『ガラスの動物園』の上村(聡史)さんの演出は、もっとフラットだったんですよね。こう見せたいということよりも、相手の感情をしっかり受け取ったうえで言葉を返していくという当たり前のことをとても大事にされていたというか。