2022年6月2日 19:30
国際派俳優として活躍中の尚玄「僕の見た目では日本で役がないと言われた」
それもアシスタントが雑に書いているので、読めなかったりするんですけどね(笑)。
でも、ちゃんと意図が伝われば、指示通りに言わなくてもOKでしたし、自分がほかのことを言いたくなったらそれでもいいというくらいとても自由な現場でした。事前に、ほかの人物との関係性やキャラクターについてはたくさん話をしていたので、それが自分に染み込んでいたからできたのかなとは思います。監督からは「何も心配しなくていい。ただ、カメラの前に立って津山尚生でいてくれればいいよ」と言われました。
監督によって、思いがけない言葉を引き出された
―そういった現場では、ご自身でも思いがけない部分を引き出されることもあったのでは?
尚玄さんそれはありましたね。実際、コーチと対面するシーンを撮ったとき、自分では思ってもいなかったセリフが出てきたことも。そこで、僕はある言葉をコーチに向けて放ちますが、それは尚生が父親に対して抱いていた感情でもあったので、思いがけずその言葉が出てきたんだと思います。
メンドーサ監督というのは、「インナー・モノローグ」と呼ばれる心のなかで思っている言葉をすごく大事にされている方。だからこそ、目だけで表現したり、沈黙の時間に心が動かされたりすることもありましたが、それこそがメンドーサ監督が長年築き上げてきたメソッドなんだと感じました。