2022年6月23日 19:30
母を自宅で介護する14歳…「歌に魅せられた貧しい少年」の輝く成長を描く【仏映画】
若いうちにオペラに触れる機会を多く持ったほうがいい
―劇中では、幅広いジャンルの曲を効果的に使っていますが、選曲や曲の組み合わせでこだわったのはどのあたりでしょうか。
監督初めに考えていたのは、ヒップホップとオペラというふたつの世界を対峙させたいということでした。ただ、そこまで難しく考えていたわけではなく、選んでいくうえで意識していたのは、自分がこのシーンでどの曲を聴きたいかという感覚だったと思います。
―今回オペラを使ったのは、監督自身が名曲「人知れぬ涙」に魅了されたことがきっかけだったそうですが、いまだにオペラは敷居が高いと感じている人が多いと思います。ただ、この作品では誰もが楽しんでいいものであると示しているので、監督が思うオペラの楽しみ方があれば教えてください。
監督まずは、若いときになるべく多くの時間をかけて聴くことが大事ではないかなと。とはいえ、普通に生活していてオペラに興味を持つきっかけに恵まれることはなかなか少ないかもしれません。それでも、なるべくそういった音楽を聴く機会を見つけることがまずは必要だと思っています。
―監督は音楽に救われた経験もありますか?
監督僕は、音楽よりも演劇や映画に救われたほうが大きいかもしれないですね。