2022年7月21日 21:00
阿佐ヶ谷姉妹の地味おもしろ同居エッセイも! 注目の“女バディもの”
また、バラバラの個が歩み寄り、弱さもしっかり見せられるバディものも共感を得やすい。
「それは私たちが“みんな一緒”という均質化した教育を受けてきた背景が大きい。だからこそ強い個性の持ち主同士が結束力を高めていく姿に尊さを感じるのでは。さらに、過去のトラウマやコンプレックスなど、内面にも焦点を当てて、弱さを共有し合うバディの姿にグッとくるんだと思います。また、おもしろい現象として、女バディものは、人生のお手本のような趣があって、現実と地続きの描き方をしている無理のない作品がバズりやすい。昨今のシスターフッドや女性のエンパワーメントの流れを汲みつつ、タイプの異なる女性ふたりのゆる~い連帯感や暮らしに根差した心地よさに、憧れを感じる人が多いよう。バディものはまだまだ開拓の余地があると思いますし、何が起こるのかわからないワクワク感があるバディものの登場に期待したいですね」
トミヤマユキコライター、マンガ研究者、東北芸術工科大学准教授。大学では少女マンガ研究を中心としたサブカルチャー関連講義を担当している。
著書に『夫婦ってなんだ?』(筑摩書房)、『少女マンガのブサイク女子考』(左右社)など。
※『anan』2022年7月27日号より。取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)
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