世界的にシスターフッドカルチャーが普及したことで、女バディものが多様な広がりを見せている。女バディものは、ゆるっとカラッとがトレンド?女性同士の絆を描く「ロマンシス」系マンガから女性のほのぼのとした同居生活エッセイ、スカッと爽快感が得られる小説など、リアリティがありながら軽やかなテイストの作風が反響を呼んでいる。今の時代、女性同士の繋がりは、気楽な関係性が求められている!?1、『一心同体だった』山内マリコ著10~40歳までの女性たちの友情を描いた8つのストーリー。女同士の友情の複雑さ、繊細さ、そして女子の生き様を描き出した8編の連作短編。それぞれの年代の女子の友情がロンド形式で繋がっていく、私たちの平成30年史でもある。光文社1980円2、『マイ・ブロークン・マリコ』平庫ワカ著自殺した親友の魂を救うために遺骨と一緒に逃避行!?学生時代からの親友マリコを自殺で失ったシイノトモヨ。虐待を受けていたマリコの遺骨を親から強奪し、ふたりで旅に出る。秋に永野芽郁さん主演で映画が全国公開される。KADOKAWA715円3、『女ふたり、暮らしています。』キム・ハナ、ファン・ソヌ著似ているけど全く違う…。女ふたりが作る新しい家族の形。シングルでも結婚でもない。ローンを組んでマンションを共同購入した韓国のコピーライターと元ファッション誌編集者と猫4匹の愉快な生活を描いたエッセイ。CCCメディアハウス1650円4、『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』阿佐ヶ谷姉妹著40代・独身・女芸人ふたりの地味おもしろ同居エッセイ。ちょっとした小競り合いや人情味溢れるご近所づきあいなど、細かなこだわりと笑いに包まれた飾らない日常が繰り広げられる。昨年ドラマ化されたことでも話題に。幻冬舎文庫660円年の差バディに共感の嵐!?今までにない新基軸の作品として、年の差バディが注目の的に。多様性の時代、共通の趣味や好きなものを語り合うのに、年齢も立場も関係なし。自分が置かれている状況と全く異なる人との出会いは、利害関係抜きで純粋に心を通わせられるので、共感を得やすい。さらに視野が広がり、新たな気づきが得られ、人生を切り拓いていくきっかけになることも。芦田愛菜×宮本信子『メタモルフォーゼの縁側』17歳の女子高生の佐山うらら(芦田愛菜)と75歳の老婦人の市野井雪(宮本信子)を繋いだのはボーイズラブ。BL愛を語り合う中、ふたりの人生は意外な方向に転がり出していく。全国公開中。©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会トミヤマユキコが分析!心の機微が見えるバディものが視聴者の胸を打つ。大和書房のWeb連載「バディ考~世界は二人組で満ちている!」で、様々なバディエンタメ作品を考察しているライターのトミヤマユキコさん。最近のバディものは価値観の変化とともに、どんどん多様化してきていると語る。「今までは、タイプの異なる男同士が凸凹コンビを組んで、なんらかの障害を克服し、唯一無二の関係性になっていくのが王道でした。これは一種の伝統芸能として今後も愛され続けると思いますが、最近は性別の枠に縛られないバディものブームがじわじわと来ています。この背景には、若い世代の恋愛離れや、恋愛と結婚をひとつなぎで考える『ロマンティック・ラブ』の解体が関係していそう。かつては男女が登場する作品のほとんどに恋愛要素が含まれていましたが、喧嘩して仲直りしてハッピーエンドを迎えるという感情のアップダウンを見るのがシンドイという声も聞きます。そのため恋愛要素を極力排除して、人の繋がりをフラットに描けるバディものが支持を集めているのではないでしょうか」また、バラバラの個が歩み寄り、弱さもしっかり見せられるバディものも共感を得やすい。「それは私たちが“みんな一緒”という均質化した教育を受けてきた背景が大きい。だからこそ強い個性の持ち主同士が結束力を高めていく姿に尊さを感じるのでは。さらに、過去のトラウマやコンプレックスなど、内面にも焦点を当てて、弱さを共有し合うバディの姿にグッとくるんだと思います。また、おもしろい現象として、女バディものは、人生のお手本のような趣があって、現実と地続きの描き方をしている無理のない作品がバズりやすい。昨今のシスターフッドや女性のエンパワーメントの流れを汲みつつ、タイプの異なる女性ふたりのゆる~い連帯感や暮らしに根差した心地よさに、憧れを感じる人が多いよう。バディものはまだまだ開拓の余地があると思いますし、何が起こるのかわからないワクワク感があるバディものの登場に期待したいですね」トミヤマユキコライター、マンガ研究者、東北芸術工科大学准教授。大学では少女マンガ研究を中心としたサブカルチャー関連講義を担当している。著書に『夫婦ってなんだ?』(筑摩書房)、『少女マンガのブサイク女子考』(左右社)など。※『anan』2022年7月27日号より。取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2022年07月21日今あらゆる分野で、次代を担う新たな才能の芽生えが。そんな変化し続ける世界で飛躍を遂げるために必要な資質は時代の流れを読み解くことで見えてくる!まずはそれぞれのジャンルで活躍する3人の女性に、次の時代のカタチについて予測していただきました。いくつもの分野を横断して“巣穴”をたくさん持つことで輝く場所を増やしていける。フリーアナウンサー・大橋未歩さん社会が多様化してメディアの形もさまざまになりました。特にテレビは、「AbemaTV」をはじめ各社がネットテレビに参入したり、「NewsPicks」のようなニュース配信サイトが独自の番組を作ったり、チャンネルが大幅に増えました。こうしたメディアに実際に出演してみて驚いたのは、キー局のテレビと変わらない反響があることです。むしろ、キー局よりも深く視聴者に刺さっていると言ってもいい。それは、たくさんあるチャンネルの中から「積極的に選んで」見ている視聴者が多いからだと思います。テレビも含めてエンタメがどんどんポータブルになり、視聴の仕方も多様化しています。これからは、ライフスタイルや好みに合わせて自由にメディアを視聴するスタイルがますます進んでいくはず。その中で視聴者に選ばれるために各メディアが切磋琢磨し、企画を磨いて工夫を凝らして、新たなおもしろい番組が生まれる。そんな流れを期待しています。個人的には、『テラスハウス』のシニア版が見てみたい(笑)。「人生100年時代」です。シニアのリアルには達観と諦観が溢れているはず。新たな発見があるんじゃないかな。何事にも垣根がなくなってきているせいか、肩書に執着しない人、いくつもの分野や場所を横断して活躍する人が増えたのも、時代を感じさせますね。私自身、1年半前にフリーになり「輝く場所はひとつじゃない」ことを実感しています。実は私、ずっと声に自信がなかったのですが、フリーになったら「声がいいね」と、ラジオの仕事をいただくようになって。環境が変われば、違う自分を誰かが見つけてくれることもあるんだなと、嬉しい気づきでした。「新しい自分」を手に入れるには、今いる場所を変えるのも有効だと思います。新しいことを始めるだけでも自分を成長させる糧になるし、思いがけない“才能の芽”を発見できるかもしれませんよ。誰かに見つけてもらう時代は終わった。女の子自身が女子のヒーローになる時代。作家・山内マリコさん私が作家デビューした頃は、読者の声はハガキで届いていましたが、今や読者の反響を見るツールはSNSが主流。たとえばハッシュタグで検索してみると、本を読んでくれた若い子たちが本の写真や感想をあげてくれていて、今どきの子はSNSもやるけど本もちゃんと読んでくれているんだ、と嬉しくなります。本離れを感じるどころかハッシュタグによって拡散されることもあるし、みんなアンテナ張ってるんですね。そんなSNS時代に気づいたことは、不満を吐き出すうちに、学問としてではないフェミニズムに目覚めた女の子たちの存在。男の子からの扱いに対しての不満とか、昔なら友達にグチって終わりそうなことでもSNSに吐き出すことで、“いいね!”やリツイートの数によって共感が可視化され、それが自信になって、彼女たちはどんどんタフになっている。携帯電話やプリクラ、ネイルなんかが出てきた時もそうでしたが、与えられたツールをカスタマイズして使いこなし、それを作った人の想像の範疇を超えて飛躍させる特殊能力を持つのが女の子。SNSだってすでにそう。男の子に媚びを売って男子人気を得ていた時代は廃れ、女の子が女子の人気や共感を集めてヒーローになっていくことでよろこびや楽しさを味わっている。さらに、それがビジネスになって大成功している子もいる。そんな姿を見ていると、これからは女子に愛される女の子が活躍していく時代だな、とひしひしと感じます。メイク動画でも何でもいい。勇気を出して自分の特技や作品をSNSで発信して、自らプロモーションをするタフさや図太さがないと何も始まらないし、誰にも何も伝わらないんですよね。ステキな男の子に自分のよさを見つけてもらいたいとか、誰かに才能を発掘してもらうなんていう、受け身の考え方は捨てたほうがいい。誰かに見つけてもらう時代は、きっともう終わったんです。“自分を満たすのは自分”に気づいた若者たちは、ためらわずに自己表現する。ライター、東北芸術工科大学講師・トミヤマユキコさんここ最近、少女漫画の世界が変わってきたなと思うのが、恋愛のフラグを立てておきながら、カップル成立を単なるハッピーエンドとして描かないという傾向。配偶者を共同最高経営責任者にたとえた海野つなみ先生の『逃げるは恥だが役に立つ』のヒットが記憶に新しいですが、東村アキコ先生の『東京タラレバ娘』や『主に泣いてます』もそう。少女漫画の恋愛観は半歩先の未来を描いていると思うのですが、東村先生は早くから、恋愛だけが女の子を救うものではないことに気づいていたのかもしれません。自分を満たすのは恋人ではなく自分だと気づく、はるな檸檬先生の『ダルちゃん』、年収300万円以下のOLが自分のためにマンションを買う池辺葵先生の『プリンセスメゾン』など、人気作に見られる“今までの恋愛を解体し、恋愛で全てを解決しない”という傾向は今後も加速するだろうし、興味深いですね。現実世界はどうかというと、大学で教え子たちを見ていると、ただ流行を追いかけるのではなく、新しいものも古い時代のものも含め、自分がいいと思ったものを堂々と選び取れる強さがあると感じます。“私は私”と恥ずかしがらずに言える若者が増えていて、彼らはそれぞれ自分の満足度を上げることを優先しているようです。そんな若者文化の中で私が今注目しているのが、東京オリンピックで競技種目になることが決定したスケートボード。堀米雄斗選手や西村碧莉選手は、海外リーグで優勝するほどのトップ選手ですが、日本ではまだ扱いが小さいのがとても残念。スポーツといえば、規律と礼儀が第一で“高校球児は全員坊主頭”だった時代とは違い、ルールはあれど髪型や服装、パフォーマンスは自由で、それら自己表現も込みで魅せるのがスケボー。型にはまることなく柔軟に取り組みながら、ちゃんと成果を出す。これぞ新しい世代のスポーツなのではないでしょうか。おおはし・みほテレビ東京のアナウンサーを経てフリーアナウンサーに。TOKYO MX『5時に夢中!』、ニッポン放送『大橋未歩 金曜ブラボー』など、活躍の幅をますます広げている。やまうち・まりこ1980年11月20日生まれ。小説家。近著に『あたしたちよくやってる』(幻冬舎)が。対照的なふたりの女性の結婚観が共感を集めた小説『あのこは貴族』の映画化が決定。トミヤマユキコ1979年生まれ。ライター、少女漫画の研究者。現在、東北芸術工科大学の講師も務める。著書に『パンケーキ・ノート』(リトルモア)、『夫婦ってなんだ?』(筑摩書房)がある。※『anan』2019年7月3日号より。イラスト・北澤平祐取材、文・熊坂麻美若山あや(by anan編集部)
2019年06月26日『40歳までにオシャレになりたい!』を発売したトミヤマユキコさんにお話を伺いました。いまよりちょっとおしゃれな私。センスよく変身できるコツが満載。<おもしろい服なら得意なのだ>おしゃれかどうか判断しづらい、個性的な<圏外ファッション>で通してきたトミヤマユキコさん。しかし、ある気づきを得る体験があった。「グレーのパーカを着て、ニコ生の放送に出ていたんです。すると『トミヤマさん、テレビ局のADみたい』と視聴者からのテロップが。私の着こなしがどうというより、好きな服を好きなように着ていてもダメな年齢なのではないかと悟ったんです。けれど、一日中、気の張るファッションでいるとか、ヒールを履いてるとかはつらいなぁという年齢でもあります。そのちょうどいい塩梅の参考書が何もなかった。となれば、自分を実験台にしてやるしかないのかな。それを必要としてくれる人のところに届けばいいな、と。おもしろく読んでくれる人がいたら実験台になった甲斐があります」かつて無難すぎてつまらないと敬遠していたコンサバ服<圏内ファッション>を取り入れながら、自分らしい大人の装いができる自分になれないものか。そう考えたトミヤマさん自身が、おしゃれの大改革に取り組み、導き出した法則をまとめたのが本書だ。ベースにあるのは、おしゃれになりたいけれど、いまひとつ自信のない女性たちが普段から抱いている切実な悩み。雑誌に出てくるモデル並みのおしゃれ感を目標にしているわけではないので、ちょっと背伸びするだけというのが好もしい。扱うトピックは、トップスからアウター、アクセサリーやメイクなど、上から下まで網羅。骨格レベルで体型が変化していき、若いときから好きだった服が似合わなくなるのが40歳前後だろう。「それを自覚するといま着るべき服も見えてくるのですが、実はその年齢までに『こういう色は似合わない。こういう服は着ない』というヘンな自分ルールができている人も多いと思う。そういう思い込みは外したほうがいい。私の場合はカラー診断に行ったのがとても良かったです」好きな服を否定したいわけではない。ただ、おしゃれのチャンネルをもう一つ増やそうというような気持ち、とトミヤマさん。「私が体を張って試行錯誤をしておきましたので、読者のみなさんは、その迷路をショートカットしていただければ幸いです(笑)」『40歳までにオシャレになりたい!』 グラビアやイラストも多数。また、何がおしゃれなのか似合うのかがなかなかわからないメガネや腕時計などにまで踏み込んでいて重宝する。扶桑社1200円ライター、早稲田大学文化構想学部助教。著書に『パンケーキ・ノート』(リトルモア)、『大学1年生の歩き方先輩たちが教える転ばぬ先の12のステップ』(左右社、清田隆之氏との共著)がある。※『anan』2018年8月1日号より。写真・土佐麻理子(トミヤマさん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年07月26日媚薬のようなお菓子、チョコレート。食べても贈っても、幸せを運んでくれる“とっておき”を、ライター・トミヤマユキコさんに紹介していただきました。高級だけれどさりげない。甘く小さな幸福のタネ。お腹がいっぱいになるわけではないのに、たったひと粒で幸せになれる。チョコレートの魅力は、その「ひと口あたりの幸福含有量の高さ」にあると思います。この小さな幸福を求め、チョコレートに関してだけは己にちょっとした贅沢を許しています。普段も何かしらバッグに入れているのですが、ポータブルなチョコで好みのものがなかなか見つかりませんでした。けれどあるとき、紀ノ国屋で『ゴディバ』の「パールミルク」を発見。小さな缶入りで持ち運びやすいうえに高級感があって、なんといってもベルギーの名ブランド『ゴディバ』ですから味は間違いなし。これは理想的!とすぐに購入し、それから定番に。ひと粒が小さいので食べる量をコントロールしやすいし、容器がミントタブレットサイズなので、仕事先で食べてもおやつだとばれにくい点も気に入っています(笑)。ゴディバパールミルク¥723(税込み)ベルギーを代表するチョコレートブランド。口に含むとさらりと溶ける真珠のような粒状のチョコレートは、ほかにダーク、ミントなど全4種。全国に約290ある店舗のほか、オンラインで購入可能。●ゴディバジャパンTEL:0120・116811贈り物には、珍しいチョコレートや、1店舗しかないお店のものを選ぶことが多いです。『クラフトチョコレートワークス』は散歩中にたまたま見つけた、ビーントゥバーの専門店。もはやカウンセリングといえるほど接客が丁寧で、初めて訪れたときも、お酒好きの私にぴったりの一枚を選んでくれました。以来よく利用していて、贈る相手にどんなチョコレートが合うか相談することも。一枚一枚に物語があり、包装も素敵。男女を問わず差し上げやすいお菓子です。クラフトチョコレートワークスエクストラカカオ¥1,400(税込み)ローストしたナッツを思わせる香りとほのかな甘みが特徴の、カカオ分85%のチョコレートバー。このほか常時10数種類のバーが揃い、いずれもオンラインでも購入可能。●東京都世田谷区池尻2-7-4TEL:03・5787・6528トミヤマユキコさん早稲田大学文化構想学部助教として、少女マンガ研究を中心としたサブカルチャー関連の講義を行う。著書に『パンケーキ・ノート おいしいパンケーキ案内100』(リトル・モア)ほか。※『anan』2018年1月17日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・堀江直子文・新田草子(by anan編集部)
2018年01月11日音楽、動画、カメラ、ゲーム、ショッピング…楽しい時間の傍らには必ずスマホがあるのでは。そんな私たちの世界を広げてくれる、手のひらから繋がるカルチャーの新潮流を紹介します。まずはアンアン総研メンバーに聞いてみました!アンアン総研メンバーの今ハマってることは…?「AbemaTVのAbemaMixという番組を流しながら、お酒を飲む」(36歳・アパレル)「食べ歩いてレビューを書くのにハマってます。自分のブログに加えて、Rettyで評価してます。今行きたいリストは700軒超え!」(29歳・営業)「アイドルのライブ映像・出演番組観賞は毎日30分~1時間。休日で家にいる日は基本的に好きなアイドルの音楽を流してます(笑)」(21歳・学生)「Apple Music。すぐにスマホにダウンロードできる手軽さがいい」(26歳・広告)「カラオケに週1回は行き、採点ゲームで高得点を狙ってます。予習のためにAWA(音楽ストリーミングサービス)でいろんな曲を聴いてます!」(30歳・会計士)“大好き”にはスマホで出合い、深掘りする時代。上で紹介しているのは、anan総研メンバーがいま夢中になっていること。SNSにアプリと、スマホやタブレットを活用している様子が窺える。ちなみにスマホの使用時間は、平日でも2~4時間が4割を超え、そのほとんどの時間をSNSのチェックに費やしている模様。ハマるというより生活の一部、と答える人も多かった。「暇な時間がもったいないから、とりあえずスマホを触る。実は私も同じで、昔なら文庫本でも読んでいたと思うのですが、今は迷わずスマホを手に取る。最新の情報を得たり、友人の近況を知ったりすると、“プチ満たされ感”がありますよね」(ライター、早稲田大学助教・トミヤマユキコさん)また、そこから発展してスマホベースの動画やゲームなど、ライトにハマれる趣味を見つけていることに着目し、時間つぶし以上に、大事なツールになっていると分析。「今は世の中全体が、無駄を省くモードになっていると思うんです。最短距離でゴールにたどり着きたいという状況ですから、気に入った人のアカウントをフォローするだけで、自然とリアルな声や情報が集まってくるのは、かなり重要なこと。それはいわば自分用にカスタマイズされた雑誌。見ているだけで楽しいし、編集能力の高い人ほどそこをベースに、新しい趣味へと世界を広げられるのでは」トミヤマユキコさん1979年生まれ。ライター、早稲田大学文化構想学部助教。近著に清田隆之さんとの共著『大学1年生の歩き方』(左右社)。※『anan』2017年8月9日号より。イラスト・nanamy(by anan編集部)
2017年08月03日