2022年9月24日 18:10
天童よしみ「これがヒットなんだ」 50年の歌手人生を振り返る
歌った歌をもう一回だけ歌ってほしい」と。窓の方を見ると、私が怒られると思った他の生徒が窓に張り付いていて、それがすごく面白くて(笑)。“みんな興味津々やねんな”という思いと、先生から託されたという自信を持って歌わせてもらいました。当時、『ちびっこのど自慢』の提供が日清で、チャンピオンになると、全校生に一個ずつ出前一丁をプレゼントしてくれていたんです。ある日、男の子のマスコットが描かれたトラックが何台も来て、運動場をぐるぐる回って。
――すごい光景です!
天童:運動場に集合してみんなから「ありがとうございました!」と言われた光景は、今も忘れられません。お勉強の成績はすごく悪かったけど、先生から応援していただいて自信がつき、仲間も拍手で送ってくれて、英雄気分でした。
――そしてついにデビューです。
天童:『全日本歌謡選手権』という番組で10週勝ち抜くとデビューなのですが、1週目の収録を明後日に控えた時に右足を骨折して…。“これを逃したら歌手になれない”と痛み止めを打ってもらい、猛暑の7月3日、日にちまで覚えてますけど、お母さんに背負われて大阪の守口市民会館へ向かいました。すると、松葉杖姿で歌う姿が強烈だったのか、吉田芳美という名前が一気に知れ渡った。