2022年10月10日 21:00
友達作りは勉強より難しい!? エリートの登竜門“旧制高校”が舞台の青春コメディ
旧制高校とは、かつて日本にあった高等教育機関。帝国大学に進学するための、男子のみに門戸が開かれたエリートの登竜門なのだが、著者の粥川すずさんにとって旧制高生たちは、推しと呼べる存在だ。
友達作りは勉強より難しい!?エリートたちの青春コメディ。
「きっかけは私が高校生のときに、全国の旧制高校の写真集を図書館で手に取ったこと。当時の学生たちの芯の通った感じというか、昔の人ならではの一本気な雰囲気にすごく惹かれ、借りては返すことを繰り返していたんです。バンカラな学生の白黒写真を拡大コピーして、部屋に貼っている女子高生でした(笑)」
それから時は過ぎ、子育ても落ち着いてきた頃、一念発起してマンガを描き始めたのだが、投稿作に続き、この初の連載作も大正時代の旧制高校が舞台となっている。
「ストーリーに関しては、かなり悩みました。旧制高校の卒業生は政治家や社長など出世している人が多いのですが、あのときほど純粋に友情を育めた時期はない、と回顧している記述をよく見かけて、友情ものだったら描けるかなと思えたんです」
しかしそこで描かれるのは、一筋縄ではいかない友情だ。
旧制高校に晴れて入学した大石征至郎の最大の目標は、終生の友を得ること。