2022年10月22日 19:00
上白石萌音「モネが見ることができたなら、きっと喜ぶ気がする」 没入型展示を初体験
もし、これをモネが見ることができたなら、きっと喜ぶ気がします」
そう語る上白石さんにとって、自身の名前の由来にもなっているというモネは、少し特別な存在。
「やっぱりシンパシーを感じますね(笑)。でも、何より、自分が描きたいものに対して、納得いくまで懲りずに、傲慢にならずに、ストイックに向き合い続けた生き方は、表現者として尊敬します」
そんなモネの企画展では、7年ほど前に東京都美術館で見た、「モネ展」の感動が今でも忘れられないそうだ。
「『睡蓮』など有名な絵画がたくさんあったのですが、その時、最も心を揺さぶられたのは晩年の作品。白内障で視力が低下してから描かれた絵は、よく知る淡く優しい雰囲気ではなく、赤や黒、緑など鮮やかな色で筆致も荒々しく、怒りや悲しみがぶつけられている気がして。圧倒されて、初めて絵を見て泣いてしまったんです」
最先端技術を駆使したデジタル作品も、作家たちの人間性や生き様が滲み出る絵画も、心静かにアートを感じるひとときは、上白石さんにとってチャージ&デトックスとなる大切な時間に。
「テクノロジーが進化する中で、人間にしかできないことはますます貴重になっていると思うんです。