2022年10月28日 21:00
孤立出産を解決するために 「内密出産」合法化、残る課題は?
誰にも頼れずに母親がトイレで産み落とし、赤ちゃんを殺してしまうような事件も。慈恵病院が赤ちゃんポスト(育てることができない赤ちゃんを、母親が匿名で託すことができる施設)の運用を始めたのも、社会問題化している孤立出産を解決したいという思いからでした。
内密出産のガイドラインには、慈恵病院の例をベースに、母親の氏名や身元を病院内で適切に管理すること、親や医師が出生届を出さなくても、市区町村長の権限で戸籍が作れること、仮名でカルテを書いても医師法に問われないことなどが盛り込まれました。
内密出産の希望者は潜在的に多くいるといわれています。望まない妊娠に悩んだら、各自治体の妊娠相談ホットラインを利用してほしいと思います。妊娠したかもしれないという段階での相談も受け付けています。
これらの情報も、性教育とともに義務教育のなかできちんと伝えるべきでしょう。孤立出産で事件が起きると、母親が加害者として罪に問われますが、男性の側に責任追及がなされないというのも大きな問題だと思います。
ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。