2022年11月17日 20:00
家政婦が全財産でディオールのドレスを購入…夢見る願いが起こす奇跡【映画】
この原作は過去にテレビ向けの作品として映像化されたことがありますが、そのときはフランス人の役に1人もフランス人が起用されていませんでした。
本作はおとぎ話のようなストーリーではありますが、同時にリアリズムにも基づいている作品。ファンタジーのなかにもリアルな要素というのがしっかり描かれることが重要だと思い、そのあたりのバランスはこだわっています。
ディオールが愛した花や要素を取り入れている
―ほかにも、映画オリジナルのキャラクターや映画ならではの設定を加えていますよね。
監督僕にとって、この作品を脚色することはひとつの挑戦でもありました。というのも、原作では主人公の道のりにあまり壁がなく、わりと簡単に夢を叶えてしまうところがあるので、映像化するにあたってはもう少しそこに立ちはだかるものを加えたいなと。そうすることでより重層的な物語になりますし、観客にとっても豊かな視聴体験になると考えました。
具体的には、労働者の権利についての描写を入れたり、ディオールのマネージャーであるコルベールと心が通じ合うまでに時間をかけたり、という部分を付け加えています。
―本作の大きな見どころは、現在の貨幣価値で250~400万円ほどになる美しいドレスの数々。