滝藤賢一「僕がドラァグクイーンのメイクをしている様子を見て、小1の娘は目がハートに」
この映画はもちろんロードムービーですが、友情物語であり、恋愛物語であり、親子の愛情物語でもあって。登場するのは愛くるしいキャラクターばかりなので、ハートフルでとても優しい作品だと自画自賛してます(笑)。ロケ地の岐阜・郡上八幡(ぐじょうはちまん)の自然もきれいで、いろんな見どころのある映画です。
――ところで、もともと舞台の出身だそうですね。俳優を志したきっかけはどんなことですか?
滝藤:高校卒業後、映像に関わる仕事がしたくて、映画演出の専門学校に通うために上京しました。すぐに辞めましたけど。その後、塚本晋也監督の映画『BULLET BALLET/バレット・バレエ』のオーディションに受かったのが、俳優になるきっかけです。僕、オーディションで初めて芝居をした時に浮足立っちゃって、呼吸は普通にできないし、唾もずっと飲み込んでいる状態だったんです。
塚本さんからは「ここを見てセリフを言ってください」と言われているのに、キョロキョロしちゃって。自分がこんなことになっちゃうんだ、というのが衝撃的で、底知れぬ奥深さを感じたんですよね。それで演技をもっと勉強したいと思って、俳優養成所の「無名塾」を受けたんです。