岡本玲「高齢者の方々の性や孤独に関する事実を知り、打ちのめされました」
ただ、2日目に行くのが嫌になるくらい、初日で自分自身とは何かを問われるようなワークショップだったと思います。
―行きたくなくなった理由は、自分自身と向き合うのがつらくなったからでしょうか。
岡本さんそうですね。私だけではなく、みなさんも実はうまく隠して生きている部分ってあると思うんです。でも、「作られたものではなくて、あなた自身を見たい」と言って諦めずに向き合おうとするのが外山さんですから。しかも、つねにニコニコしていて、相手をえぐってくる瞬間も楽しそう(笑)。ただ、そんな外山さんだからこそ「どんな自分を出しても面白がってくれるんじゃないか」と思えた部分はありました。
その後、この役を演じると決まってから、家族に対する私自身の価値観やいままでどう生きてきたかといったことを外山さんに話し、それを台本にも反映していただいています。
なので、ワークショップから撮影までの1年間で、いまの自分を受け入れられるようにもなりました。
うがった見方をせずに、誠実に向き合おうと思った
―なるほど。本作で描かれている高齢者向け売春クラブは、実際にあった事件がもとになっていますが、この題材に関してはどのように感じましたか?
岡本さん私はまったく知らなかったので、びっくりしました。