浦井健治「二人の女性に魅せられて…」ミュージカル界の“キング”が感激した展覧会
だからこそ、みなさんに支持されて、今の時代も憧れの存在になっているのだと思います。
美への探究心を感じる
――会場をご覧になって、特にどの作品に興味をもたれましたか?
浦井さんローランサンの作品に、恋人とのツーショットを描いた絵画があるのですが、二人の色味がグレーと色鮮やかな色で対照的に表されていて、印象的でした。また、自画像もよかったです。身につけている装飾品も工夫されていて、こう見せたいという彼女の思い、美への探求心を感じました。
また、シャネルの衣装も興味深く思いました。自分は役者なので、いつも衣装を着させていただくのですが、衣装担当の方が凝った素材をパリから選んで持ってきてくれたり、役者の動きに合わせて制作してくれたり、工夫してくださるのです。いつも衣装担当の方から聞く言葉が、そのまま今回の展示物にリンクしている部分もありました。
例えば、お腹を圧迫しないけどスレンダーに見えるファッションなど、今は当たり前のことですが、まさに当時、本展で見たところが始まりだったというのがわかり、すごいなと思いました。
――本展は、美術とファッションを一緒に見られますが、その点はいかがですか。