国家権力が潰した天才プログラマーの真実…「この問題は今にも通じている」日本映画界の新鋭が語る危機感
あとは、金子さんに対して有罪のままの印象を持っている方もたくさんいますし、無罪になるまでの7年間をお姉さんがどんな思いで生きてきたのかについても映画として表現したいなと。外には出ていないさまざまな情報を知るなかで、金子さんがどんな人かも徐々にわかってきたので、そういった思いがすべて組み合わさっていきました。
東出さんはとにかく役に対してストイックな人
―今回、金子さんを演じた東出昌大さんも、体重を18キロ増量するなどしてかなり作り込んで挑まれたそうですが、間近でご覧になってどのように感じましたか?
監督東出さんは、とにかく役に対してストイックな方ですね。撮影の初日から金子さんが乗り移っているような感じがしたので、すごくびっくりしました。東出さんも「誰よりも金子さんのことを理解しているのは自分だ」と自信を持っているくらい入り込んでいたと思います。
―そんな東出さんの様子に、撮影現場では金子さんのご家族も涙されたことがあったとか。
監督僕は金子さんにお会いしたことがないので、正直わからない部分もたくさんありました。でも、東出さんを見たお姉さんが泣きながら「似ている」とおっしゃっていたので、それが1番の信頼できるお言葉だなと。