国家権力が潰した天才プログラマーの真実…「この問題は今にも通じている」日本映画界の新鋭が語る危機感
そのおかげで自信が持てましたし、このまま映画を撮ってもいいんだと思うこともできました。
あと、これは弁護士の壇さんがおっしゃっていたことですが、金子さんと東出さんはどちらも純粋で疑いもなく人と接するところがあって、そこが似ているそうです。外見がどんどん似てきて驚くこともありましたが、根本的な部分で2人がリンクしていると感じることはありました。
―また、弁護団を演じられたみなさんも本当に素晴らしかったですが、演出するうえで意識されていたことはありましたか?
監督今回は、壇弁護士に裁判や弁護士の在り方について監修していただきました。いい環境で映画が撮れたと思います。裁判シーンでは、とにかく緊張感がすごかったですね。キャストのみなさんだけでなく、僕も緊張しました。吹越満さんや渡辺いっけいさんといったベテラン俳優さん同士のぶつかり合いも見られたので、そういう部分も面白かったです。
裁判のシーンでは、とにかくリアリティを追求した
―壇さんは「これまでの日本の映画のなかで、法廷シーンのリアリティはこの映画がナンバーワン」とおっしゃっていますが、今回は映画的な見え方よりも、リアルに近づけたいという気持ちのほうが強かったのでしょうか。