国家権力が潰した天才プログラマーの真実…「この問題は今にも通じている」日本映画界の新鋭が語る危機感
監督僕もそこは一番に考えていたことです。というのも、壇さんとお話をした際に、「いろんな裁判映画を観てきたけど、間違っていることがたくさんある。リアルな裁判劇が日本にはない」とおっしゃっていたので、僕がリアリティを追求したものにしたいと思いました。
―具体的には、どういったところにこだわりましたか?
監督壇さんには、特に目線や動きなどを細かく監修していただきました。たとえば、相手を尋問しているとき、「決まったな」と確定したときは裁判官のほうを見て合図を送るとか、嫌なことを言われたときのカラダの動きとか、裁判ではお決まりのことがあるそうです。知らないことばかりでしたが、実際の裁判を傍聴したときにもそういうところを見れたのは面白かったです。
そのほかには、生の臨場感や緊迫感を映像に収めたかったので、なるべく何回もテストをせずに進めました。たとえ言葉に詰まったとしてもそれもリアルなので、今回は1発オッケーのシーンが多かったと思います。
―完成までは制作が止まってしまったこともあったそうですが、心が折れそうになったこともあったのでは?それとも逆に燃えるタイプですか?
監督うまく進まないことが何度もあって、「もしかしたらできないかも」