国家権力が潰した天才プログラマーの真実…「この問題は今にも通じている」日本映画界の新鋭が語る危機感
と思ったことはありました。でも、どうしても成立させたいという気持ちが強かったので、どちらかというと燃えていたと思います。「これは映画にならざるを得ないくらいのテーマなんだ」という自信もずっとありましたから。
それと、天国にいる金子さんが世に出るように仕向けてくれているんだろうなと感じてもいたので、そういう意味でもあまり心配していなかった気がします。
金子さんは人生を捨てても未来に何かを残そうとした
―日本には技術者を大切にしないところや出る杭は打たれるという風潮がいまだにありますが、本作を制作する過程で思うこともあったのでは?
監督そうですね。やっぱり怖いものには蓋をするような文化はいまでも残っていると感じました。ただ、その怖さは無知や正義感からくるものだと思うので、メディアも情報を受け取る側もきちんとリテラシーを持っていないとまた同じようなことが起きてしまうのではないかと懸念しています。
というか、すでにいまも似たような出来事は起きているので、この映画をきっかけに少しでも状況がよくなってほしいなと。
1本の映画によって日本の刑事裁判が抱える問題や日本のよくない部分について知ってもらい、考えてほしいです。