国家権力が潰した天才プログラマーの真実…「この問題は今にも通じている」日本映画界の新鋭が語る危機感
―ちなみに、ご自身もそういった経験をされたこともありますか?
監督僕の場合は、出会ってきた方々が本当にいい人たちばかりだったので、逆に引き上げていただいたと思っています。まあ、まだ杭が出てないから打たれていないだけかもしれないですが(笑)。でも、そのおかげで、いろんな作品を撮ることができているので、いつか自分が上に行ったら、若い人たちを引き上げたいという気持ちは強いです。そうしないと文化は発展しないですし、映画界も廃れていくだけですから。
―もし金子さんの周りにもそういう方々がもっとたくさんいたら、違う形で技術が広がっていた可能性もあったかもしれないですね。
監督それはあると思います。金子さんのことを理解しようという気持ちが日本にはなかったのが、アメリカと大きな差がついてしまった原因ではないかなと。「この裁判には勝者はいない。
結局どちらも敗者でしかない」と壇さんがおっしゃっていましたが、まさにその通りだと思います。
―同じクリエイターとして、金子さんから影響を受けたことはありますか?
監督金子さん自身は、出る杭を打とうとする人たちとは真逆で、自分のプログラム人生を捨ててでも未来に何かを残したいという思いが強い人だと感じました。