『名探偵コナン』目暮警部のモデル、メグレ警視が身元不明な女性の殺人事件に挑む【映画】
脚本の執筆は2か月ほどで、撮影も6か月で終えることができました。
犯人探しよりも、犠牲者にスポットを当てていて感動した
―メグレシリーズには75の長編と28の短編がありますが、そのなかから監督が選んだのは1954年に発行された小説「メグレと若い女の死」。理由のひとつは事件の舞台がパリだったからだそうですが、なぜですか?
監督今回、パリであることは私にとって非常に大事な点であり、その思いは本作の脚本家であるジェローム・トネールとも共通していたことでした。なぜならメグレ警視がセーヌ川やパリの街のなかを歩いている姿を描きたかったからです。もちろんこのシリーズでは、地方を舞台にした作品もありますが、我々のメグレ像を作り上げるうえでは、パリであることが必要だと思ってこの作品を選びました。
―そのほかにも、映画化したいと思うに至った要素があれば、教えてください。
監督本作は、「名前も年齢もわからない若い女性が理由もなく血だらけで殺されてしまう」という珍しい設定で物語が始まります。そんななかで私が感動的だと思ったのは、メグレ警視が犯人捜しよりも犠牲者である女性にスポットを当てて調べていくところです。