永瀬正敏「いまだにデビュー作を最後まで観れない」役者を40年間続けられた理由
特に、ご自身が経験されたことを反映されているからというのもありますが、事前にしっかりとシミュレーションができていたように感じました。俳優陣やスタッフへの指示出しや回し方も素晴らしかったので、不安要素というのは一切なかったです。
あとは、やっぱりライブシーンに関してはお手のものだなと思って見ていました。ライブシーンは曲の途中で止めて撮影することもあるので普通だと大変なんですが、それがとてもスムーズでしたし、毎回同じ盛り上がりを演出されていたのもすごかったです。
―60歳を過ぎてからの初挑戦で苦労もあったと思いますが、その姿に刺激を受けたところはありませんでしたか?
永瀬さんおそらくこれは映画に限らず何にでも言えることですが、ちゃんと思いがあれば、みんな付いていくものなんだなと。何かをスタートするのに期限はない、みんなの協力があればいくつになっても始められるんだなと感じさせていただきました。
―永瀬さんが演じられたイチは、藤沼さん自身を投影した役どころですが、ご本人の前で演じられてみていかがでしたか?
永瀬さん自分のなかで迷いがあったときでも、監督から醸し出されるものをつねに浴びられるので、安心感があって助かりました。