永瀬正敏「いまだにデビュー作を最後まで観れない」役者を40年間続けられた理由
ただ、この作品は完全な実話ではないので、本人になりきって演じる必要がない役どころ。そういったこともあって、僕としては監督の“匂い”や仲間といるときの雰囲気、立ち姿といったところで通じるものを出せればいいかなと。撮影中は監督について回ったり、監督の細かい部分を観察したりしていました。
映画に対する思いは、デビュー当時から変わらない
―そんな永瀬さんの演技に監督は見とれてしまい、カットを掛け忘れそうになったこともあったそうですが、特にアドバイスなどはなかったのでしょうか。永瀬さん芝居についてはほとんどなかったですが、当時の背景やメンバーとの関係性みたいなことは雑談程度でお話いただきました。あと、大きかったのはギターを教えていただいたことですね。全然触っていなかったので、監督にはご迷惑をおかけしたと思います。そもそも僕は、ギターが下手でクビになったくらいのレベルですからね(笑)。
「またバンドを組もう」とまではいかないですけど、やっぱり音楽はいいなと感じました。
―そういう楽しさは、作品からも伝わってきました。
永瀬さん現場では本番ギリギリまでいつもみんな笑っていましたし、「昔から仲間だったんじゃない?」