日本の小説が海外でブームに!? 中村文則×村田沙耶香の対談から探る“海外翻訳”最前線
今村夏子さんや本谷有希子さんもお好きだと言っていました。
日本の女性作家たちに注目が集まるわけ。
中村:元々、東野圭吾さんや桐野夏生さんなど、ミステリーは本当によく訳されていました。今そうした支持が他の小説にも広がってきたと感じています。
村田:ですね。ふんわりした情報で申し訳ないですが、少し前は、フランスで「ノヴェラ」と呼ばれるいわゆる中編小説くらいの長さの日本作品が多く訳されていたと聞きました。日本の現代小説は、欧米の長編作品と比べると短く、中編として扱われるようです。今は他の国でも短い作品が本になるケースが増えたと聞いたことがあります。
中村:アメリカ人は相変わらず長い作品も好きなんだけれど、長編だと翻訳にお金もかかる。それで出版自体を躊躇するというのはあるみたいです。だから、翻訳ものに限ると、短いものがいい。
村田:そういうことなんですね。
中村:村田さんは、『コンビニ人間』などの自作を、英訳されたものと照らし合わせながら読んだりしますか?
村田:英語が苦手で、今もレッスンを受けたりしてるくらいなので。訳は翻訳家さんを信じて任せることにしています。
中村:僕も同じです。