『名探偵コナン 黒鉄の魚影』音楽担当・菅野祐悟が明かす、劇伴創作秘話
「でもプロデューサーや監督は、“菅野さんの、新しい音楽を作ってください”とおっしゃってくださったんです。信頼してくださる以上、恐れず、忖度をせず、いい音楽を作ることが、ファンの皆さんを裏切らないことになるのではと思い、向き合う決心をしました」
前作では長年コナンの音楽を作ってきた作曲家の大野克夫氏からアドバイスをもらい、おなじみのメインテーマを斬新にアレンジ。そして今作『黒鉄の魚影』は2作目となる。
「自分的には1作目は、大野先生、監督やスタッフ、そしてファンの皆さんによる審査だったような気がします(笑)。今回は、前作に比べると少しだけ肩の力が抜けたかなとは思いますが、やはり皆さんの“年に一度の宝物”を素敵なものにするべく、全力を投じる覚悟で曲を作りました」
劇伴を作る際、菅野さんが最初に手を付けるのはメインテーマ。コナンのテレビや劇場版で幾度となく流れる、あのメロディだ。
「まず、コナンのテーマソングはもはやすべての人にとってマスターピースのような存在です。これは前作のときに考えたのですが、新参者である僕があの曲に対してやるべきことは、そのクオリティの高さで長年愛されている老舗のお店をリニューアルする、みたいなことだと思ったんですよね。