乳歯、毛髪入りや毒リングも…! 衝撃の「指輪コレクション」が世界遺産の美術館に集結
、右《アール・ヌーヴォーの指輪》(おそらく1900年頃)いずれも国立西洋美術館 橋本コレクション
――乳歯や毛髪入りの指輪なども展示されています。なぜ、カラダの一部を入れる指輪が作られたのですか?
飯塚さん基本的には、大切な人間への深い思いがあり、それに裏打ちされた作品だと思います。例えば現代なら、身近な人の写真を飾ったりしますよね。でも、時代を遡ると写真がない。肖像画はありますが、それを持てるのは一握りの人間だけです。大切な人を身近に感じたいとき、実際に人の髪の毛や歯など、カラダの一部を肌身離さず持ちたいと思い、その持ち運びに適していたのが指輪なのです。容器のついたタイプの指輪は、古くから作られているので、そこに髪の毛などを入れる作業は比較的簡単にできました。裕福な人だけが持つ高価なものではなく、一般の人でも作りやすかったのだと思います。
《アメリカ陸軍空挺部隊のバッジが付いたポイズン・リング》1940年頃国立西洋美術館 橋本コレクション
――毒を入れられるポイズン・リングや小型カメラつき指輪も飾られています。これらは、実際に使われていたのですか?
飯塚さんポイズン・リングは実際に使われていた、という言い伝えがあります。