池松壮亮「全部かわいい」佐藤浩市の息子・寛一郎に対する特別な想い
あとは何よりコンセプトが素晴らしかったこと。自然との共生や循環をテーマに捉え、時代劇というフォーマットを使い、汚穢屋という貧困層を通して世界を見つめるという試みも素晴らしいと感じました。利益追求、資源をエネルギーや生活で消費し続けてきたこの世界へ、この映画がひとつの提案になると感じました。
寛一郎さん
ーー役作りについて教えてください。
寛一郎さん江戸時代と汚穢屋について、一通り調べました。ただ、彼らが持つ時代精神性のようなものは、本質的には現代を生きる僕らと変わりはないように感じて、自然体で演じました。
池松さん寛と一緒に、何でもない日常を、情緒を転がしながら、貧しくも情けなくも、生き生きと演じていけたらいいなと思いました。
ーー映像美にあふれる本作の中で、おふたりが特に印象に残っているシーンは?
寛一郎さん雪が降っているシーンです。
3年前の冬に撮ったもので、美術担当の原田満生さん(本作では、企画とプロデューサーも兼任)がこれ以上ないほど美しい雪を降らしてくださり、雪映えしているなと思いました。
池松さん冒頭の雨のシーンから、ぜんぶが好きですが、敢えて挙げるなら川を小舟で渡るシーンです。