「NYにそのまま持ち帰りたいくらい素敵」映画界の新星が影響を受けている日本カルチャーとは
そこで、制作時に意識していたことや現場での様子、日本から影響を受けていることなどについて語っていただきました。
―本作は自叙伝の要素が強い作品ということですが、フィクションと実話を構成するうえで意識されたことはありましたか?
監督今回インスピレーションとなったのは、自分が過去に体験したことや当時の会話など。それらを整理するために、まずは父親とのことだけでなく、母親に関することも含めた幼少期全体の思い出を書き出すことから始めました。
そこからキャラクターやフィクションの部分を発展させて、脚本として仕上げています。そのなかで唯一変えずに維持したのは、当時自分のなかに存在していた感情。そこだけは、忠実に描きました。
―タイトルの『aftersun/アフターサン』とは日焼けのあとに塗る保湿クリームのことですが、ヒリヒリするような感情を描いた本作には完璧なタイトルだと感じました。どのようにして思いついたのでしょうか。
監督脚本を書き始める前から仮のタイトルとして付けていましたが、直感で決めたので、実はいつどこで思いついたのかも覚えていないくらい。アフターサンローションは英国人のホリデーには欠かせないものですけど、正直に言うと、そこに込めた意味を深く考えたこともないんです…。