「NYにそのまま持ち帰りたいくらい素敵」映画界の新星が影響を受けている日本カルチャーとは
ただ、観る方によってタイトルの解釈が違うと聞き、それについての記事もたくさん出ているので、いまは面白いなと思っています。
俳優の努力と才能が認識されたことがうれしい
―それぞれが好きなように受け取れるというのも、楽しみ方のひとつですね。また、劇中では父親役のポール・メスカルさんとソフィ役のフランキー・コリオさんが本当に素晴らしかったです。ただ、キャリアも技術もあるポールさんと、演技未経験のフランキーさんというまったく違うタイプの2人を演出するのは大変だったのでは?
監督フランキーは子どもですし、本作が初めての演技だったので、今回は彼女を中心に現場を組み立てていきました。なので、ポールとのシーンでは、彼が彼女の演技を引き出すパートナーになるようにお願いしています。あとは、フランキーだけの撮影とポールだけの撮影を交互に繰り返しながら進めていきました。
そんななかで面白かったのは、大人の俳優だけでクラブのシーンを撮ったときのこと。彼らにもそれぞれ演出が必要なんだと改めて気がつき、それまでいかにフランキー中心で現場が動いていたのかを実感しました。
―そのかいあって、繊細で非常に難しい役どころを演じ切ったポールさんはアカデミー賞の主演男優賞にも見事にノミネートされましたね。