「日本のアニメ界は優秀な作家が多い」 世界的児童書を初アニメ化したフランス人監督が言及
国内外で高い評価を得ているなか、こちらの方々にお話をうかがってきました。
バンジャマン・マスブル監督 & アマンディーヌ・フルドン監督
監督を務めたのは、美術を学んだあとアニメーション業界に入り、テレビアニメシリーズのディレクターとして活躍してきたフルドン監督(写真・右)。そして、アカデミー賞にノミネートされた『失くした体』をはじめ数々の映画賞を受賞した作品に編集として携わり、本作で監督デビューを飾ったマスブル監督(左)の2人です。そこで、原作が愛される理由や制作秘話、そして現在の日本のアニメ界について語っていただきました。
―『プチ・ニコラ』はフランスでは国民的な児童書ですが、どういったところがそれだけの人気を博した理由だと思われていますか?
マスブル監督まず、この作品がいまもこれだけ愛されている大きな理由のひとつは、子どもの視点で描かれているところ。1950年代のフランス社会をはじめ、すべてをニコラの目を通して描いていますが、そうすることで詩的な部分やコミカルな要素が生まれるのです。そして、それにサンペの無邪気な子どもたちのイラストが相まって普遍的な作品になったのではないかなと。