辻村深月、新作小説『この夏の星を見る』は「“今”の子どもたちの姿を書けたかな」
その中で伝わってくるのは、「好きなことを大事にしよう」というメッセージ。
「何かに打ち込む子どもに対し“それが何の役に立つのか”“将来プロになれるのか”などと言う人っていますよね。私は“向いていないけれど好き”とか“ただ楽しいからやる”ことって、大人になってからも自分を支えてくれると思う。意味がないことに意味があるんだって、ちゃんと書いておきたかった」
自分の心の中の小さな星が見つかるような、優しい青春小説である。
辻村深月『この夏の星を見る』天文部に所属する高校生、亜紗は感染症の影響で夏の合宿が中止になり落胆する。しかし意外な経緯で、東京の中学生、長崎の高校生と出会うことに。
KADOKAWA2090円
スピンオフ短編を収録!
辻村さんのガイドブック『Another side of 辻村深月』
今年3月に刊行された本書に収録された書き下ろし短編「薄明の流れ星」は『この夏の星を見る』のスピンオフ。「例のテレビ番組で見た茨城県の高校は、共学なのに男子生徒が一人もいない学校だったんです。その時、もし男子が一人だけ入学してきたら、どんな子なんだろうと想像しました」ということから生まれた、あのキャラクターが主人公。