くらし情報『悪魔、怪物、大食、淫欲… キャラ立ちがスゴい「悪ものたち」を集めた異色の展覧会』

悪魔、怪物、大食、淫欲… キャラ立ちがスゴい「悪ものたち」を集めた異色の展覧会

その役割を果たしたのが版画です。ルネサンス期は、版画により情報の伝達が進み、各地で描かれている変わった怪物などを知ることができました。例えば、ユニークな怪物を描いたヒエロニムス・ボスの版画を見た画家が、それをもとに工夫を重ねて発展させて描いたりしています。また、16世紀はローマ時代の壁画などが発掘され、古代の変わった装飾模様が見つかった時期でもあるので、そのデザインを発達させたという可能性もあります。

――西洋文化のなかで「悪ものたち」のイメージが受け継がれ、発展していったのですね。

渡辺さん悪いものや醜いものは、「こう描かなければならない」という制約がありません。例えばキリストや聖人は、描き方が厳密に決まっています。また、美しい人の描き方もある程度決まっています。
「悪ものたち」はそれらと正反対にあり自由なので、画家たちは創意工夫を発揮しやすく、自分の能力を示すきっかけにもしていました。

不倫の濡れ衣を着せられた人妻の絵…

悪魔、怪物、大食、淫欲… キャラ立ちがスゴい「悪ものたち」を集めた異色の展覧会


スケッジャ(本名ジョヴァンニ・ディ・セル・ジョヴァンニ・グイーディ)《スザンナ伝》15世紀

――本展の構成を教えていただけますか?

渡辺さん会場では、セクションにわけながら、ルネサンス期から20世紀へと時代が下がるように展示していますが、時代の流れは厳密ではありません。

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