脱・優等生ヒロイン像の確立も! 「朝ドラ」を変えた歴代ヒロインたち
「糸子は、家で洋裁の仕事をひたすらやって、家事や子育ては母親任せ。畳の上に寝転がって舌打ちもして、およそ朝ドラのヒロインらしくないんです(笑)。失敗もたくさんしますし、不倫もする。そんな自分の生き方を貫くヒロインを、脚本家の渡辺あやさんが非常に魅力的に描きました」
ライターのてれびのスキマさんも、『カーネーション』の画期性に注目。
「糸子は、従来の朝ドラのイメージである前向きさは持っているけど、清く正しくはない。そうした矛盾や業を背負っているキャラクター。ドラマ中『あんたの図太さは毒や』と批判されますが、あの台詞は、これまでの清く正しい朝ドラヒロインへのアンチテーゼにも感じられました」
従来の朝ドラヒロインのイメージを覆した作品として、多くの人の記憶に残っているのが『あまちゃん』。
「アキは、“成長しなければいけない”という、朝ドラヒロイン、さらには私たちを縛っていた呪いを解いてくれたキャラクター。
アキも、北三陸に来た頃と比べればものすごく変わるのだけれど、優等生的な成長とは違うと思うんですね。アキが友人のユイに『ダサいくらい何だよ、我慢しろよ!』と言い放つシーンがあったんですが、ユイだけでなく、私たちの“ダサくてはいけない”という呪いも解いてくれた台詞だと感じました。