「宇宙人に連絡したら家に派遣できる」中国の注目監督が驚いたUFO愛好家たちとの出会い
と思っていたんです。でも、いろんな人を見ているうちに、考え方が違うだけでみんな普通の人たちだなと思うようになりました。というのも、「苦しみから脱出したい」というのは人間誰にでも共通する悩みですからね。そういう意味で、彼らを理解できるようになりました。
―なるほど。主人公のタンは、そういった方々から着想を得て作り上げていったのですか?
監督特定のモデルみたいな人はいませんが、UFO愛好家の方々が持ついろんな特性をミックスして、タンの人物像に投影しました。中国では宇宙の科学に関わっている人たちは、知識人のような印象が強いので、ハイクラスな文化人として扱われることもあるくらい。そういったことから、外見は中国でも有名な作家の服装や眼鏡、髪型を参考にして構築していきました。
あとは、アメリカのアニメ「リック・アンド・モーティ」の主人公である天才科学者のリックからも着想を一部得ています。
ただ、欧米だとこういう人は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に出てくる博士のようなイメージで語られているところもあるようなので、そういうところは大きく違うところかもしれませんね。特に、アメリカではUFOに対しては時空を行ったり来たりするものとして考えられているところがありますが、中国は何千年もある歴史においてそのような文化的土壌がないので、そういう部分で明らかな違いを感じています。