“母親に35年も閉じ込められた男”の大暴走…世界を熱狂させた衝撃作、ついに日本初公開
監督特にそういった人物はいないですが、記憶に残っているのは、シドニーにある友人の家に遊びに行ったときのこと。庭にいると、隣の家から母親が自分の娘を棒のようなもので叩いている音と声が聞こえてきました。でも、その娘は「ママ!愛してるよ!」とずっと泣き叫んでいたんです。
2人の姿を見たわけではなかったのですが、そのときのことが強烈な印象として自分のなかに残っていたのかもしれません。実際、この映画ではバビーと母親のシーンではそれがある種の“フィルター”のようになっていたように感じています。
撮影監督を変えることでいい影響が作品に出た
―また、本作では合計32名の撮影監督が参加したというのが驚きですが、最初から複数で行く予定だったのか、それとも撮りたい映像を追求していったらそうなったのでしょうか。
監督この映画を作りたいなと思ったとき、まだ予算がなかったので、フィルムを買うために自分で稼ぎ、1本購入したら撮影しよう考えていました。ただ、その方法だと1人のカメラマンのスケジュールをずっと押さえることができないと気がついたんです。
そこで、「屋内に閉じ込められているバビーが外の世界で経験することはすべて初めて」